クリエイティブ業界は、ITの進歩によってとにかく敷居が下がり続けている。音楽や動画、イラストや3Dモデルなどを作れるソフトが無料で出回っていて、パソコンさえあれば誰でも使い始めることができる。
それは本当に素晴らしいことだと思う。経済力にかかわらず、やりたいことに挑戦ができる。しかしその反面、できることが多すぎて、あれもこれも手を出してしまい、1つのことをやり続けることが難しくなる人も少なくないだろう。
僕もその1人だ。僕は作曲をしているが、世の中には魅力的な曲がたくさんある。それらを聴くたびに、こんな音楽を作ってみたいなーと思ってしまう。手を出すだけなら無料だから、とりあえずやってみる。それを繰り返しているうちに、自分が1番作りたい音楽、自分が1番注力するべき音楽がわからなくなってしまった。
そんな中、読み始めた「エッセンシャル思考」には、今の自分にとって参考になる事がたくさん書いてあった。
今回は、やりたいことが溢れてしまうぼく自身の考え・行動をどのように変えていけばいいか、この本を通じて考えたことをまとめていく。
より少なく、より良く
この本では、「より少なく、より良く」ということが奨励されている。
やる事を厳選し、集中してやるのが大切。結局、やりたいことをすべて満足にやるのは不可能ということだ。
では、どうやってやることを絞っていくのか。参考になった考え方を書いていく。
優先順位に同列はない
やりたいことに優先順位をつける。どれも大切なことに思えてしまうが、なるべく厳しい判定基準で判断する。この本には、「自分の中で90点以上のことにのみイエスを言おう」ということが書いてあった。
ためしに、自分のやりたいことを書き出して、それぞれに点数をつけていく。
そうすると、実は割と自分の中でやりたいことへの優先順位がついていることがわかる。
後はその優先順位を忠実に守るだけだ。
時間の使い方
かかる時間を過小評価しない
仕事を受けたとき、それが完了するまでの時間を見積もって答えたものの、予想外のハプニングによって、全く間に合わず迷惑をかけてしまうことがある。仕事にハプニングはつきものなのだが、時間を見積もる段階ではなぜかハプニングを度外視して考えてしまう。
ハプニングが起こるものだと考え、時間の見積もりに余裕を持たせる。
趣味の活動でも同じだ。1つのことにかかる時間をちゃんと見積もれていないから、たくさんのことをやろうとしてしまう。
「より少なく、より良く」の考え方を実践するならば、1つのことにかける時間を増やして、1つの事のクオリティーを高めていくことを心がける。
遊びの時間を持つメリット
さらに、時間に余裕を持つことにはメリットがある。空いた時間に、仕事とは関係ない遊びの時間を入れることで、脳の柔軟性や想像力を高めることができる。
また、仕事にストレスはつきものだが、遊びを取り入れることによってストレスを軽減することができる。時間いっぱいに仕事を詰め込んでしまえば、遊ぶ時間を作れず、ストレスをため込んでしまう。
まとめ:時間の使い方を見直す
自分が何にどれぐらい時間を使っているのかを調べることで、自分が注力できる事は思ったよりも全然少ないという実感を得ることができる。
僕は作曲において、どんなジャンルの曲を作るか考えるときに、自分の得意な分野と、今流行っている分野の間を行き来して迷ってしまう。
そのどちらが良いのか、またはもっと別なジャンルの曲を作った方が良いのか、答えはまだ見えていないが、いずれにせよ、本当に注力できるのは1つの事だけだということを肝に銘じておきたい。